8/1トフィーノ(ホエールウォッチング) |
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*8/1トフィーノ(ホエールウォッチング)曇り後晴れ* さて今日は、ホエールウォッチングツアーに参加しなければならない。朝食までの間、適当に身支度を済ませた。8:30になったので、朝食をとりに一階のキッチンにいったら、既に他の宿泊客である2組の華族が席に着いていた。宿のばあさんに「おはよう。」と挨拶すると、一番奥の座席に座りなさいと言われたのでそこに座った。席にすわると、ばあさんが他の客に俺のことを紹介し始めた。 ホエールセンターに到着し、カウンターで昨日受け取ったレシートと自分の名前を告げた。スタッフは予約されていることを確認すると、奥の方を指差し防風&防水スーツに着替えてくれといった。店の置くにはハンガーにツアー用のスーツが沢山ハンガーにぶら下がっていた。俺がなるべくきれいなスーツを探していると、スタッフの一人が「あなたのはこれよ。」となんだか薄汚いスーツを用意しやがった。 ![]() これが、ホェールウォッチングに使用される防寒スーツ。救命胴衣も兼ねているらしい。まるで宇宙服のようだ。生地はとても分厚く歩いてるだけで汗だくになってしまうが、船に乗ったらこのスーツ無しではいられないほど寒かった。 文句を言ってもしかたがないので、スーツを受け取り外で着替えることにした。着替えるといっても、そのスーツを今着ている服の上に着るだけなのだが。スーツの色は赤色で、なんだか宇宙服のような分厚い感じであった。さて、着替えが終わったのはいいのだが、これからどうしたらいいのかわからんかった。とりあえず、9:45までにはツアー会社の前に集合した。店の前でうろちょろしてたら、スタッフがやってきて、「この道をまっすぐに行ってくれ。」といわれたので、そこへ向かうことにした。幸い、俺のすぐ近くに同じツアーに参加する俺よりも背の高い女性が居たので、一緒に行くことにした。しかし、この分厚いスーツを着てると非常に歩きづらいし、ものすごく蒸れて暑いのだ。2〜3分も歩けば汗が出てくる。一緒に居た、女性もたまらなく暑いらしく、 突然彼女が手を降り始めた。なんだろうと思い、手を振ってる方向を見ると、赤ん坊を抱えてた男性が手を振ってるのが見えた。 やがて、ボートは減速体制に入った。クジラでもいるのかな?と思いあたりを見回した。しかし何もいない。ボートはゆっくりと移動しながら、岩礁のあるところに近づいてきた。なにやら、動く物体がある。デイパックから双眼鏡を取り出しよーくみると、アザラシの群れであった。海面から突き出た岩礁の島にはたくさんのアザラシが群れていた。 おっ、なんだか岩にナメクジのような物体が... いたいた、アザラシが。何頭か、海面に入りながらこちらに向かっていたのもあった。 時おり、何頭かが海面にもぐったり、頭だけを海面からだして、こっちに向かってくるのがわかった。隣に座ってる彼女にも双眼鏡を貸してやった。彼女は嬉しそうにそして食い入るようにあざらしを眺めた。ボートは少しづつその群の岩礁に近づき、肉眼でもはっきりわかるくらい近づいた。ボートの下でも、もぐって泳いでいるアザラシがはっきりとわかる。色からしてゴマフアザラシのようであった。目がくりくりとしてるのもはっきりわかり、とても可愛かった。水族館で見たことはあるが、野生のアザラシは今回が初めてであった。 20分位そこに滞在して、ボートは次なる場所を求めてまた全速力で走り出した。ボートはそして、海岸線の見えるとある場所で減速し適当にその辺を移動し始めた。周りを見ると、他のツアー会社のボートが点在してるのがわかる。どうやら、この辺がクジラの出るポイントらしい。しばらく漂ってたら、隣の彼女が「見て、クジラよ。」と教えてくれた。 んん?「ぶしゅっ!」と音が聞こえて、何だか水蒸気みたなものがあがったぞ... おっ、いたいた。クジラが海面にでるのはほんの一瞬なので、決定的瞬間をつかむのが一苦労... クジラの潮吹きだ。マンガで見る噴水のような潮吹きではなく、霧吹きのような感じである。当然のことながらクジラは移動しながら潮吹きをしてるから、同じ場所では起こらない。注意深く周辺を見渡しながらが観察するのがコツだ。ボートも潮吹きを確認すると、その方向へ少しづつ移動をし始めた。操舵手も長年の勘でクジラに近づくように追跡してるようだ。あちこちで潮吹きが起きた。どうも1頭だけではないようだ。ボートはどれか1頭に的を絞り、少しづつ近づき始めた。やがて、潮吹きの他にクジラの背中も確認できるようになってきた。まだ距離があるから、どのくらいの大きさかわからないけど、それでもクジラが見えたということだけでワクワクしてきた。たまにクジラの尾びれが見えた。なんかの本に書いてあったが、尾びれが見えるということは、これから深く長いあいだ潜水する時に見せるという。 しかし、クジラの出没はまさに神出鬼没である。昔はやった、もぐらたたきのゲームのような感覚だ。どこから現れるかさっぱりわからない。だいたい平均してクジラの背中がみえるのがほんの数秒だから、全神経を集中させて食い入る様に海面を見つめ続けた。彼女が突然胸に手をあて、 なんだか、こうみると小さな島みたいだな。 パフィンもいました。
段々近づいてきた。 海草を背中に乗せて浮上してきました。
おお〜、びびった〜。いきなり目の前に現れるとさすがに驚いてしまいます。 すると、今度はボートのすぐ真横で、クジラの背中が「ぬおー」っと姿をあらわした。 さらば、クジラ君、存分に楽しませてもらった。 クジラを十分堪能した後、ボートは別の場所に移動した。移動した先は、岩礁帯にたくさんのトドが生息する場所であった。 トドの皆さんはお昼寝中でありました。 アメリカの国鳥ハクトウワシ。木の上に乗っかってます。(画像をクリックすれば、拡大画像がみれます。) 先程のアザラシとは違って、活発に動き回ってるトドはおらず、みんなごろんとヨコになり昼寝をしていた。たまに、トド同士でいざこざをしてる場面もあった。ツアーも時間が押し迫ってきたので、このトドを見た後、港に戻ることになった。帰り際、木の上に巣を作ってる白頭わしを見ることができた。アメリカの象徴ともいえる、この鳥は現在絶滅に瀕するくらい、数が減少してるらしい。 約2時間のツアーは無事終わった。港につくと釣り人がサケをさばいていた。サケ茶漬けが食いたくなった気分になってきた。 ツアー会社の事務所に防寒&防風スーツを返却しに行った。事務所をでると、隣に座っていた彼女が握手を求めてきた。おかげで楽しかったといってくれた。まあ、二人で一番前の座席に座り大の大人が、ギャーギャーわめいているうちに何か情が芽生えたのであろう。俺も、一緒にツアーに参加できて楽しかったと礼をいいながら握手をした。近くに迎えにきてた、彼女の旦那さんにも軽く会釈をして、その場を離れることにした。 さて、ちょうど昼時だったので、どこかで飯でも食おうと一人町中をぶらぶらと歩きはじめた。何件かレストランの前にあるメニュー表を眺めながら、何を食うのか悩みまくった。んで、結局昨日晩飯を食べた、中華料理屋にすることに決めた。迷った時はやっぱり中華が一番いい。店に入り、昨日と同じ場所のテーブルに座った。チャーハンは飽きたので、カレー定食を注文した。チャイニーズティーを飲みながら、外の景色を見てると、とてもいい天気になってきた。天気がいいので、午後は宿のばあさんがお薦めの場所と教えてくれた、トンキンパークビーチに行くことに決めた。地図をみながら、午後の行く場所の予習をしていたのだが、注文していた料理が全然運ばれてこない。俺の後から来た、となりに座った中年の夫婦の方が先に運ばれてくるありさまだ。俺がギロリンコと隣の客に料理を運んだウエイターをにらみつけてるとその夫婦の旦那さんが、 やっと、注文した料理が来たので食べることにした。昨日も来た為、店員が覚えていたのか箸も付いてきた。カレー定食といっても、カレーライスではなく、別々に分かれていた。茶碗にご飯、丼に野菜と肉が沢山はいったカレーであった。カレーというより、カレースープといった方が近いかもしれない。しかし、このカレー、味は悪くないんだけど。めちゃくちゃ熱いではないか。俺は猫舌ではないんだけど、しばらく冷まさないと、口に入れることができないので、料理を目の前にしながらも5分以上お預け状態となった。ようやくカレーが少し冷めて来たので食べることにした。でもカレーとご飯を別々に食べるというのはなんだか少々違和感を感じてしまった。誰も居なければ恐らく茶碗のご飯をカレーの入った丼にぶち込んで食べてしまうのであるが、食事マナーの厳しい異国の地でそういう事をするのは気が引けてしまうので、最後までカレーとご飯を別々に口にしながら食べ終えた。まあ、味は上々だったのでこれでよしとしよう。食後、請求書を申し出ると、餃子を皮を油であげたようなお菓子がまた運ばれてきた。昨日は何も知らず、ぼりぼりと食ってしまったが、今日は気をつけてかじり、先に中に入ってるおみくじを取り出してから食べることにした。そうしないと、昨日の時みたいに紙がちぎれたり、お菓子で汚れまくるからね。 食後はトンキンパークビーチに行く為、町の南の外れまでひたすら歩いていった。一番通りをずっと歩き続けていき、町から遠ざかるにつれ、家が少なくなってきた。すぐ近くがうっそうと生い茂る森になっている。家も木々にさえぎられていて、正面までにいかないと建物が見えなかった。普通の一軒屋よりB&Bの宿の建物が多かったような気がした。やがて道は行き止まりになり、トンキン・パークの看板が立っていた。 アスファルトの道路が行き止まりになると、トンキン・パークへの入り口の看板がり、ここから、うっそうろ生い茂る森の中へ入っていきます。 行き止まりの為、車が何台も路駐してあった。みんなここから徒歩で向かっているようだ。道路の片隅に、トンキン・パークに行く為の遊歩道があったので、そこに入り歩いていった。 入り口に入るとこんなぶっとい木が沢山あります。 森の中は、まるでジャングルのようでした。 トレイルコースはちゃんと整備されているので、非常に歩きやすいです。でもちょっと草木が邪魔ですが... 道路からすぐ森になっているため、遊歩道に入ると太陽が木々にさえぎれれて一気に暗くなった。レインフォレストと呼ばれるこの辺は気候的に雨量も多く湿潤の為木々の生長がすさまじい。出会う木々がすべて大木のようにぶっとい。また、この辺の森の中にはクマやクーガーが生息してるので少々怖かったが、何人も遊歩道を歩いてる人たちがいたので、少し安心した。15分位あるくと、砂浜が見えてきた。砂浜に出る直前の草むらに、焚き火といかにもテントを張ってキャンプをした後があった。よくまあ、クーガーやブラックベアが生息してるところで、キャンプが出来るものだと感心してしまった。俺にはとてもじゃないが、そんな無謀なまねは出来ない。 森からでると、きれいな海岸が目の前に広がります。 たまりませんな〜。 B-Y is here!俺はここにいる。 砂浜に出ると、まぶしい太陽の光がたくさんそそいできた。とりあえず、波打ち際まで歩いていき、その辺に打ち上げられた流木に腰掛けて、のんびりくつろぐことにした。青い空に青い海、砂浜はひたすら続いてるのではなく、200M位の幅で両端の岩礁帯にはさまれていた。真夏の江ノ島の海岸のような喧騒さは全くなく、人もまばらであった。10人位だろうか?海水浴をしてる人は居らず、フリスビーで遊んでいる人、流木を背もたれにして読書をしてる人、犬を放し飼いにして散歩をしてる人、日光浴をしてる人、貝を拾ってる人、岩礁で釣りをしてる人等など。俺はそんな人たちの行動をぼーっと眺めていた。それだけでも十分楽しい。退屈という感じがしてこないのだ。なんだか、ここはなんの変哲もない砂浜の海岸であるが、時間の過ぎ去りを忘れさせてくれる心地よい空間であった。 ふと、空を見上げると一頭の白頭ワシが翼を思いっきりひろげて悠々と旋回していた。そんな光景を見れただけでも嬉しくなってきた。はっきりいってトフィーノはめちゃくちゃ気に入ってしまった。もともとはホェールウォッチングをする為に訪れただけであったのだが、昨日から町中を散策したり、夕日を眺めることが出来たりと、のんびりと過ごすのにはぴったりなところだ。まさに「たそがれる町トフィーノ」「癒される町トフィーノ」とでも行ったほうがいいだろうか?人生に疲れたとき、ここを訪れればいろんな意味で休息や元気を与えてくれるような気がしてならない。逆にアウトドアやマリンスポーツ派のアクティビティな人達にとってもうってつけな場所でもある。フィッシング、カヌー、ホェールウォッチング、温泉やハイキングなどもできる。それらを満たすショップやツアー会社もあり、行動派の人たちも満足できる町だ。静と動を両方兼ねそろえてる不思議な所だ。 宿のばあさんに、勧められて何気なくきたトンキン・パークはとてもよかった。こんなすばらしい場所を教えてくれたので宿に戻ったら礼を言っておこう。段々海風が強く肌寒くなってきたので、宿に戻ることにした。 再び、うっそうと生い茂る森の中にはいり、途中、立ちションをして、来た道を戻ることにした。しかし、この町はやたらとバックパッカーが多い、公園などには何人ものバックパッカーがたむろをしていた。 町中でアイスクリームを食うことにした。歩きつかれたときにはやはり、甘いものが欲しくなってしまうからだ。注文システムも理解したので、もう店員に嫌な顔をされず、スムーズにオーダーが出来た。 土産屋に2軒程立ち寄った。少々がさばってしまうが、フリースのジャケットを購入した。レジにもっていくと、陽気な店員が話し掛けて来た。 宿に一旦戻ると、宿のオーナー夫妻がちょうど食事をしてるところであった。 シャワーを浴びた後、部屋に戻りベッドの上に横になってくつろいだ。一人では十分すぎるほどのスペースだから腕を真一文字に広げても大丈夫だ。そんなことをしてたら、睡魔が襲ってきて爆睡してしまい、再び起きたら夜の22:00を過ぎていた。 下らんことに神経を使ってしまったので、どっと疲れが出てきて、再びベッドに戻ったらぐっすり寝れることができた。 もう少しのんびり、この町に滞在したかったけど。明日はバンクーバーへ行くのだ。 (つづく...) |
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