7/29カナディアンロッキードライブ3 |
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*7/29カナディアンロッキードライブ3(晴れ後時々曇り&にわか雪)* 結局テント禁止だということで車の中で一晩をすごしたのだが、正直寝心地のいい所ではなかった。RV車であれば、シートを倒してフラットにする事ができるのだが、俺のレンタカーはそんな気の利いた機能は当然持ち合わせていない。前部のシートをただ後ろにめいいっぱい倒しただけだ。足を伸ばそうとしても、運転席ではハンドルが邪魔になるので、助手席に移動して、足をキャビネットに非常に行儀の悪い格好で寝てしまった。寝袋にはもぐりこまず、掛け布団のように羽織っておいた。それでも寝心地の悪さは変わらない。おかげであまり熟睡ができなかった。 カナディアンロッキーの朝は夏とはいえ結構寒い。Tシャツ一枚では凍えるような寒さだ。空はなんだかどんよりと曇っている。 朝食の準備にとりかかった。まずはお湯を沸かす為にコンパクトストーブのポンピングを始めた。俺の使ってるストーブはスイス軍も使用してるという「FIRE JET」という奴だ。ゴトクをたたむとコンパクトに収まりなかなかよい。燃料にホワイトガソリンを使用するストーブはこのポンピングの作業があるから、少々面倒くさいのだ。日本でキャンプをする時はガスカートリッジを使用したストーブなので、ポンピングをする必要がなくとても楽なのではある。しかし海外特に飛行機を利用する場合はこのガスカートリッジを機内に持ち込むことができないので、どうしてもガソリンストーブになってしまう。この「FIRE JET」を買ったのも8年前にカナダに行く時に購入したものだ。とりあえず100回位シュポシュポとポンピングを繰り返して火をつけた。しかし火をつけても、すぐにストーブに点火はできない。プレヒートといって、器具を暖めなければならないのだ。なので、なれないといやになってくる器具である。唯一メリットを挙げるなら、風に強い事と燃料がどこにでも手に入るといったところか。ガスカートリッジ式だとワンタッチポンで簡単に火をおこせるので扱いやすいが、いかんせん燃料のガスボンベが手に入れにくい。しかもストーブ本体とカートリッジが同じメーカーでないといけないのである。
![]() キャンプ場の朝、朝食の準備にとりかかる。 ![]() ようやくストーブに「シュオー」と音を立てながら青い火が付いた。まずは紅茶を飲むためシェラカップに水をいれ、ストーブのゴトクの上に置いた。コッヘルで沸かすのではないので、シェラカップの容量であるとあっという間にお湯が出来てしまう。そして日本から持ってきたTパックの紅茶を入れあっという間に出来上がった。
![]() 紅茶を飲んだ後はいよいよ本格的に朝食の準備にとりかかった。まあ、本格的といってもインスタント系であることには変わりがないのであるが。昨日スーパーで買ってきた物を袋を取り出た。マカロニみたいなやつがはいったチキンスープと鶏肉の缶詰。それと余っていた食パン。チキンスープは袋を開けてそれをコッヘルにぶち込んでお湯を沸せばいいという超簡単な料理だ。お湯が煮だってきた頃に鶏肉の缶詰もぶち込むことにした。まさに鳥尽くめの料理だ。スープはインスタントではあったが、結構美味かった。食パンにはつけるものがなかったので、適当にかじりながらスープを飲み食うことにした。見た目よりボリュームがあったので、食べ終わった頃はもう満腹状態となって苦しくなってしまった。
![]() ![]() 食後に再び紅茶を2杯程飲んで、出発する準備に取り掛かった。まずは食器の後片付けだ。洗剤を持ってないから、コッヘルに水を注いでお湯を沸かすことにした。こうすることにより、コッヘルにこびりついた食べ物のかすがふやけて洗いやすくなる。ある程度お湯が冷めてきたら、トイレットペーパーですばやくふき取るのがコツだ。この方法だと大抵の汚れは簡単に取り除くことが可能だ。なので俺はキャンプに行く時は必ずトイレットペーパーを持ち歩くようにしている。便所以外でもこうして使う用途があるからだ。なるべくがさばらないように、芯を抜いてペチャンコに潰した方がいい。理想的には半分くらい使用した奴をもっていくとそんなにかさばらなくなる。コンパクトストーブも使った後は必ずススがついているので、これもトイレットペーパーにちょっと水をしみ込ませて、綺麗にふき取っておいた。ゴミはスーパーの袋に入れて、キャンプ場に設置されているコンテナのような大きなゴミ箱に捨てた。片付けが終わったあと、余ったホワイトガソリンの処分に困ってしまった。ごみばこに捨てるわけにもいかないので、キャンプ場の調理場に持っていき、一枚のメモ用紙をはさんで置いておくことにした。メモ用紙には 片付けも終わり、自分のテントサイト周辺を忘れ物がないかくまなくチェックをして車に乗った。エンジンをかけてまず向かった所はシャワールームだ。一昨日から入ってないので、どうしてもシャワーを浴びたかった。キャンプ場内の地図を見ながらゆっくりと走った。場内の道路はほとんどが一方通行なので、標識を見落とさないように気をつけなければならない。 シャワールームに着いて洗面用具を持って中に入った。お湯がでる蛇口をひねるといきなり冷たい水が出てきやがった。 シャワーを浴びてさっぱりしたのではあるが、やはり寒い。ちゃんとお湯がでれば、火照った体を外の冷気にひたってクールダウンすると気持ちがいいものではあるのだが、今回はそれは出来ない。なんだか余計に寒く感じて仕方がない。でもぶつくさ文句を言っても仕方がないので、空のペットボトルに水を入れて出発をした。 まずは、レイクルイーズだ。昨日は夕方遅くちょっとだけしか訪れてなかった。8年前も時間の都合上で1時間位しか滞在していない。そんなわけだから、今日は午前中の時間をたっぷり使って、堪能しようと考えていた。 日ごろの行いがいいのか知らんが、レイクルイーズに着くと雲が切れて青空が見えてきた。やはり、景色のいいところでは晴れないと意味がない。駐車場は有名な観光地であるためか、ちょっとばかり渋滞をしていた。空いてるスペースを捜す為、ぐるりと周るとようやくスペースがあったのですかさずそこに車をもぐりこませた。 駐車場から湖までは目と鼻の先である。すぐにエメラルドブルーに染まった湖とその向こうに夏でも雪が残ってる山の景色が目に飛び込んできた。ここの湖の色は傍から見てると綺麗ではあるが、間近でみると澱んでいてちょっと汚い感じがする。まあ、前方にそびえ立つ山の氷河の雪解け水が流れ込んでいるから、様々な不純物が水に紛れ込んでいる為仕方がないのではあるが。ここの湖にはレンタルボート屋もあり、カナディアンカヌーを借りることも出きる。
![]() 大きな木の看板に「CHATEAU LAKE LOUISE」と書かれた所に行って見た。よく旅行用パンフレットに掲載されてるところだ。ここから見る景色が一番綺麗とどこかの本、パンフレットかガイドブックに書かれていた記憶がある。まあ、実際はどこから見ても綺麗な景色ではあるのだが。看板の前にはチロルハットをかぶった腹の出たおっさんが一人アルペン・ホルンを吹いていた。
![]() このおっさんはここの湖の名物らしく、観光客からいっしょに写真をとってくれとせがまれちょっとした人気者だ。8年前に来た時も、このおっさんはいて俺もその時はいっしょに写真を撮ってもらったこともあった。あれから長い年月がたってもおっさんは元気そうに健在で、当時と変わらず人気者であった。写真を撮る時必ず「ヨーロレイヒ♪」とヨーデルを歌うのだ。そういったおっさんのやりとりを懐かしさを交えてしばらくずっとみていたのだが、なんだか8年前と違う光景が目に付いた。写真をいっしょに取るだけで金をとっているのだ。8年前は確か金なんか取ってなかったはずなのだが。最初は一緒に取った人がチップかなにかのつもりで渡してるのかと思っていたけど、撮る人全てが金を払ってる。そしてそんなやり取りを良く見ていると、写真を撮った後おっさんが傍らに置いてあるバッグからポストカードを取り出し、それを写真を取った人に渡して金を受け取っていた。いつの間に商売を始めていたようだ。俺も8年振りに一緒に写真を取ろうかと思ったけどそんなやりとりを見ててなんだかやる気がなくなり、ただずっとおっさんを眺めることにした。そしてほとんど一緒に写真を取る人たちは日本人を含め東洋人の人達が多かった。列を作っての順番待ちではなく、おっさんをぐるっと囲んで早い者勝ちのような感じであった。俺のすぐ近くにいた西洋人も写真をとってもらおうとしてたが、次から次へと東洋人が割り込んでくるので、
![]() 湖の脇にはハイキングコースが整備されている。湖の反対側までは平坦な道なので非常に楽だ。散歩気分で歩くにはちょうどいい。そして沢山の観光客が歩いていた。 湖の反対側に着くと少しづつ勾配がきつくなってきた。ここからいよいよ本格的なハイキングコースになる。そして、日本人もがらっと見かけなくなってきた。湖の反対側はちょうど氷河の雪解け水が流れこんでるところにあたりだ。土砂なども運んで着てるため、色が灰色っぽくなっていた。それが湖に着くと、あのエメラルドブルーに変化をするのだから何だか不思議な感じがしてならない。
![]() この辺はシマリスがあちらこちらから出てきていた。今更リスはもう見飽きてしまってるので、あまり興味はなかったが人慣れしてるのか、近くに寄ってもなかなか逃げようとしなかった。さすがに手で捕まえようとすると、すばやく岩陰に隠れてしまうが。 まだ時間的に余裕があったので、このまままっすぐ歩いてみることにした。この道を行くとプレイン・オブ・シックス・グレイシャーズという氷河を見ることができるのだ。しかしどのくらい時間がかかるのかわからなかった。少しペースを速めえっちらほっちらと登り始めた。先程歩いた湖脇の道路と比べるとかなり道幅は狭くなり、人も急激にまばらになってきた。それでもそんなコースに小さな赤ちゃんを乗せた乳母車を持参でハイキングに挑戦してる家族連れの人たちには驚かされた。赤ちゃんを背中に背負ってとかなら、なんだかわかるような気がするが、勾配のきついハイキングコースを乳母車を押して、登るなんてちょっと無理ではないかと思ってしまった。
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![]() ![]() ![]() 一時間位頑張って登っていったけど一向に見晴らしのいい場所に出る気配がない。時計をみるともう11時を回っていた。ここから引き返すとさらに1時間30分は要するから、残念ながら途中で断念して引き上げることにした。なぜならば今日は18時までにジャスパーのレンタカー屋に車を返さないといけないからだ。
![]() ![]() 再び引き返して、流れ込みのところに戻るとすれ違う人達が皆一同にして上を見上げてる姿が目に入った。俺もつられて上を見上げると、ロッククライミングをしてる人達がハイキングコース脇にある岩壁に何人もへばりついていたのが見えた。後でガイドブックをみたらここはロッククライミングの人気のスポットであることがわかった。それから俺が目指していたプレイン・オブ・ザ・シックス・グレイシャーズは片道のぼりで3時間半もかかるとの事であった。どうりで着かないはずだ。ガイドブックは見るときは見るが、見ないときはほとんど見ない。その日の気分で行動することが多いので何の為にガイドブックを用意をしたのかと我ながら疑問に思うこともある。
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![]() シャトー・レイク・ルイーズの前に戻ってきたら、もの凄い観光客があふれ帰っていた。ここでの景色を目に焼き付けておこうと考えたけどあまりの人の多さになんだか落ち着かず嫌気がさしてきたので、駐車場に戻る事にした。
![]() 駐車場の隣に設置されている公衆トイレも長蛇の列をなしていた。特に女性用は男性用以上に長かった。こんなに長いと待ってる間にもらしてしまうのではないかと、タバコを吸いながら余計なことを考えていた。人が多いということは車も多い。駐車場もここに着いたばかりの車がスペースを探すために、同じ所をぐるぐると列をなして周回をしていた。俺はもうここから立ち去るので、すぐ目の前で駐車スペースを捜していたおっさんに、手招きをして「ここが空くぞ」といったジェスチャーをしてやった。おっさんはようやく確保ができると安心したのか嬉しそうにお礼をいってきた。海外を旅してるといろんな意味で世話になりっぱなし的になる。たまには自分から、誰かにそういった世話になった事をを還元しないといけないような気がしてきた。 うねうねとカーブの続く道を下り町にでた。ガソリンの量が半分位だったので、とりあえず給油をしておくことにした。セルフの給油を一度行えばなんてことはない。いとも簡単にすませGSの店内に入った。ミネラルウォーターにフレンチバニラコーヒーと昼食用のハンバーガーを取り後ガソリン代を清算する為レジに向かった。ついでにタバコも買っておこうと陳列棚をみると見たことのあるらくだの絵が見えてきた。タバコを吸ってる人ならわかると思うが、ラクダの絵があるのは「CAMEL」だ。しかもマイルドとライトまで売ってるではないか。日本では普段マイルドセブンスーパライトを吸っているのだが、たまにキャメルライトも吸っていたので、思わず嬉しくなってしまった。タバコはやっぱり吸いなれた銘柄が一番である。成田空港の免税店で購入したラッキーストライクはカナダ着後1週間で切れ、その後約2週間は頭が痛くなりそうなくそまずいカナダのタバコでずっと我慢してきたのだ。これでようやく安心してタバコが吸えるから迷わず1箱注文した。 ガソリンも無事満タンにし、後はジャスパーに戻るだけだ。すぐに戻っても面白くないから、のんびりと景色を楽しみながら戻るつもりでいた。それに、8年前、MTBで走破した同じコースを辿るのだから、当時を思い出しながら戻ることをこころがけた。 (つづく...) |
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