7/15サスカトゥーン〜エドモントン | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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*7/15サスカトゥーン〜エドモントン(晴れ)* 今日は8:00に起床。なんだか疲れているせいかなかなか起きれなかった。体がだるいのである。今日はサスカトゥーンを発ち、一気にアラスカの隣に位置するユーコン準州のホワイトホースまで移動する予定だ。まさにカナダ縦断の旅である。しかも移動手段はバス...。移動時間をタイムテーブルで換算すると30時間以上もかかる距離だ。直通がないから、エドモントン、ドーソンクリークでの乗り換えが必要となる。かつてこんな長い時間をバスに乗ることがなかったので、ある意味どんな旅の展開になるのであろうかとワクワクしてしまった(この時点ではまだ現実を知らぬアホであった)。シャワーを浴びて、荷物の整理をさっさと済ませることにした。荷物の整理といっても、散らかった衣類を片付けるだけなのでそんなに時間はかからなかった。整理を終え、一段落しながら、バスの時刻表を眺め、スケジュールをチェックしてみると、
(ドーソンクリーク〜ホワイトホース間は月・水・金のみ運行) と上記の表になっている。効率よく宿代を浮かせていくには、*印のスケジュールがいい。しかし、ドーソンクリークで1泊しなくてはならないが...。(火曜日着の為)そんな訳で16:30発のバスに乗ることにした。しかも、ホテルのチェックアウトは13:00まで行えばいいので、のんびりと過ごせる。そんな余裕のある事なので、朝食をとりにミッドタウンプラザへ行くことにした。またあの「江戸屋」で今度はテリヤキチキン丼を食べてみたくて仕方なかったのである。それに煎茶も久々に飲んでみたい気持ちもあった。カナダに来て飲むものといったら、コーヒー、ジュース、コーク、紅茶、ミネラルウォーターばかりである。俺も日本人であるため、あの緑色の苦味と渋みの交じったお茶がなんだか無性に飲みたくてしかたがないのだ。 ホテルをでて、5分も歩けばすぐにミッドタウンプラザだ。そのままフードコートに向かい、「江戸屋」の前に着いたが、店員もおらず、まだ開店してないではないか時間は10:00ちょっと前。周りの店は既に開店をしてるのに...。しかたがないから、現金の持ち合わせが弱冠心細かったのと時間を潰しも兼ねてすためにプラザ内にある銀行へいきトラベラーズチェックを両替しておくことにした。200ドル分を10ドル紙幣X20枚にしてもらった。両替を済ませて、再び「江戸屋」の前に行ったが、まだ開店してない。ここまでくると何が何でも食べてやるという意地みたいなものが出てきたので、ひたすら待つことにした。待っている間は非常に暇だから、まわりをぐるぐると見回してると、人参をギトギトしい紫色の「Booster Juice」という店に目がとまった。他の街でも時々目にしてたので気にはしていたのだが、ちょうどいいので店をのぞいてみることにした。よくみると、野菜や果物をミキサーにかけてそれをジュースにして売っている店であった。旅にでると結構野菜不足にもなるから、健康にちょうどいいと思い試しに買ってみることにした。店内に入り、メニューをじーっと眺める。店員が 「いらっしゃい。何にする?」 と聞いてくるが、無視してメニューをひたすら眺めた。ジュース名の下に何が入っているのか小さな文字でいろいろとかいてあるので、丹念に見ることにした。なぜかというと俺はきゅうりが大嫌いなので、万が一ジュースの中に入ってでもしたら大変な事になってしまうからだ。とりあえず、人参とレモンが入ってる「レモンチャージ」というのを頼む事にした。店員はぶっといスティック場になった人参を押さえながら、「ガー」っとミキサーの中何本もに放り込んでいく。でかい紙コップの中に入ったジュースが目の前のカウンターに「ほれっ」と言った感じで置かれた。料金は$3.90。ちょっと高い気がするが、まあいたしかたないと自分に言い聞かせた。でもって、そのジュースを口に入れた途端、 「おえ〜」 っという感情が沸き起こってきてしまった。不味いのである。生あったかい、人参のすりおろしをのんでるような感覚だ。もっと冷えていれば美味しく飲めるのであるが...。でも体にはよさそうだから我慢して全部飲み干してしまった。しかし、飲み終わった後は、なんだか気持ちが悪い。口直しに冷たいジュースでも飲みたい気分になってくる。 そんなことを考えてたら、ようやく江戸屋が開店した。 ![]() 「やっと開店しやがったか。ったく散々待たせやがって...」 と一人ぶつぶついいながら、店の前に来て注文をすることにした。江戸屋と書いてあるから、日系の人が働いているのかと思い、日本語で、 「照り焼きチキンを下さい。」 といってみたら 「What?」 といわれてしまい、すぐさま 「Teriyaki−chikin please!」 と言いなおすことにした。ちょっと残念であった。飲み物はと聞かれたから迷わず煎茶をリクエストした。ついでに箸もリクエストする。目の前の鉄板でじゅーじゅーと焼肉のたれの香ばしい匂いをかぎながら、待ってるのがまたたまらない。ようやく出来上がり、紙コップにお湯をいれ、煎茶のティーパックを、待ってましたといわんばかりに上下に揺らして、お湯を緑色に染めた。ティーパックに付いてた紙を眺めると名古屋にある会社の住所が示されていた。テリヤキチキンもご飯にもたっぷり、たれが染みていてとてもうまい。腹が減っていたからバクバクとあっという間に平らげてしまった。食後はお茶の香りを存分に堪能しながらゆっくりと飲み干すことにした。 腹もふくれ、煎茶も飲めて大満足だった。時間はまだ11:00ちょっと前。早くディーポにいってもしかたがないので、再びミーンワシンバレーに散歩でも兼ねて歩くことにした。途中、デルタ・ベスポローというホテルの近くにイギリスの2階建てバスを店にしたアイスクリーム屋があるので、寄ってみることにした。昨日、一昨日とミーンワシンバレーを寄った帰りに、目の前を通っていたのだがいつも人だかりがしてたので、ちょっと気になっていたのであった。アイスでもくいながら公園でぼーっとするのもいいと思い、レインボーアイスというのを頼んだ。これがとても美味い。行列ができる理由がすぐさまわかった。公園のベンチに座ってアイスを食べながらぼーっとたそがれた。 ![]() 今日は天気がいいため日差しが強いが、木陰に入るととても涼しい。気温は25℃。1時間半程 たそがれてホテルに戻ってチェックアウトを済ませた。そしてまた、くそ思いザックを背中に背負い、胸にはデイパックを背負うというなんともまあ、荷物だらけの格好でバスディーポまで、ひーこらいいながらとぼとぼと歩いていった。道中は、そんな荷物だらけの格好で、更にあまりの重さで口で息をしながら死にそうな顔をしていたので、道行く人はじろじろと俺をみながら通り過ぎていった。「旅の恥はかきすて」とはいうが、なんともまあ、耐えがたい道のりであった。 30分位してようやくバスディーポについた。ディーポ内は冷房が効いててとても涼しい。さっさとくそ重い荷物をベンチの横に置き開放感にひたりながら、ベンチに腰掛けた。次のエドモントン行きのバスまで後3時間もあるので日本にいる友人に絵葉書を書くことにした。絵葉書を書き終えてもまだまだ時間はたっぷりと残ってた。再び腹が減ってきたので、ディーポ内にある「Robbin's Donuts」というドーナツ屋で昼飯を食うことにした。レモンクリーム、チョコドーナツとコーヒを注文した。味はなかなかうまかった。食後も時間を持て余してるのでディーポ内をうろちょろと歩きまわっていると、トイレにシャワールームがあるのを発見した。今回は使用はしなかったが、バスでの長旅でこのような施設は非常に貴重だと思う。長距離バスを利用して旅する人たちは結構多い。貧乏旅行をしてると夜行便を利用すると宿泊代が浮くので、お金を節約するにはもってこいだ。ツワモノになると3〜4日ずっとバスで移動する旅人も多い。当然彼らは風呂にも入れず、バスに乗り続けなければならない。そういった環境に強いられる中でシャワーがあるのはとてもありがたい事と感じてしまう。ただ、俺が見たかぎでは、すべてのディーポにシャワーが完備されてるわけではないので、今後増えていってくれることを願わざるにはいられないのである。 ![]() ![]() ![]() ぼんやりとすごしてたら、徐々に出発時刻が迫ってきたので、荷物にタグをつける事にした。荷物につけるタグは、まず州別に色分けがされたおり、自分の向かう年や街がある州のタグを選びそしてそのタグに行き先の名前を各自書いて荷物に貼り付ける形となっている。ただこれはバスのトランクに預ける場合のみ適応するのであって、手荷物で車内に持ち込む場合はこのような作業はしなくてよい。 次の目的地はエドモントンである。確かアルバータ州だったようなうる覚えはしてたけど自信がなかったので近くに座っていた婆さん3人組に質問をしてみた。 「すいません。エドモントはアルバータ州でしたっけ?」 「ん?エドモントンはカナダよ。」 一瞬「はぁ?」と思い、もう一度同じ質問をしてみたけど、返ってきた答えは同じであった。エドモントンがカナダにあることくらい俺でもわかる。こんなやりとりを数回繰り返すと、質問してる身で恐縮なのではあるが、だんだんいやになってきた。周りの人間もそんな俺のやり取りを見ながらニヤニヤと笑っているではないか。俺が質問した内容は 「Is Edomonton is in Alberta state?」である。後になって自分なりに考えたのであるが、どうも「state」と言う単語を使ったのがまずかったのかなと考えてしまった。婆さんたちはstate=U.S.A.と勘違いをしてしまったかもしれない。ガイドブックを広げてば一発で判明はするのであるが、なぜか俺も意地になってしまい、婆さんたちから答えを導き出そうと必死になってしまった。同じ質問内容では埒があかないのでちょっと質問を変えてみることにした。 「エドモントンはアルバータですか?ブリティッシュコロンビアですか?サスカトゥーンですか?」 と質問してようやく答えが返ってきた。 「Edomonton is in Alberta.(エドモントンはアルバータよ)」 なんだか答えを聞いてほっとしてしまった。婆さんたちには丁重に礼をいい、タグに行き先を書いてその場をはなれた。 バスは定刻通り16:30に出発をした。外の景色は相変わらず地平線の見える光景である。 ![]() このバスに乗ってるところで日本から購入してきたタバコは全部吸い終えてしまった。エドモントンまで我慢できないことはないが、やはり人が吸ってるのをみると、どうしても吸いたくなってくるのが性というものだ。しかし、バスは時々停車はするが5分かそこらで出発をしてしまうので中々タバコを買いに行く時間がなくて困ってしまった。ようやく近くにガソリンスタンドがある所にバスが停車をした。運転手から10分の休憩に入るとアナウンスがあったので、バスを降りた途端ダッシュでそのガソリンスタンドに向かった。中に入り、カウンターの奥にタバコが並べてあるのを見つけ注文をすることにした。しかし、そこの店(その後もいろんなタバコを売ってる店でも)には知ってるタバコの銘柄が一つもないではないか。カナダも北米大陸であるから、てっきりアメリカのラッキーストライク、マルボロなどがあると思っていたのではあるが。こんな状態であるので、バンクーバーでバスディーポまで案内してくれたおばちゃんが、アメリカのタバコを吸ってみたいといったことがようやくなっとくできた。選んでる暇もないので店員の姉ちゃんに 「軽いタバコはありますか?」 と問い合わせてもさっぱり通じないので更に困ってしまった。しかたがないから9年前カナダを行ったときに購入したことのある「プレイヤーズ ライト」というのを頼むことにした。カナダのタバコで知ってるのはこれしかない。しかし、このタバコ吸ったことはあるがえらくまずいという感想しかないので、あまりいい印象をもってなかった。とりあえず二箱注文すると、レジに打ち出された金額をみて、またまた驚いてしまった。その表示金額は約20ドル。日本円に換算して約1600円。つまり一箱800円となる。 ![]() 「まじ?こんなにするの?」 と一人つぶやいてしまった。カナダのタバコは日本に比べて高いとは知っていたが、まさかこんなにするとは。9年前購入したときは、確か人箱5〜6ドル位であったから、ずいぶん値上がりしたものである。この金額なら「タバコくれくれ君」が出てくるのも無理はない。急いでバスに戻ったがまだ多少時間があったので、先ほど買ったタバコを吸ってみることにした。案の定まずい。箱に書かれているニコチンとタールの量をみてみるとタ−ルが13−31mg、ニコチンが1.3-2.8mgとかなりあいまいに表記がされている。俺が普段すっているマイルドセブン スーパーライトはタールが6mg、ニコチンが0.5mgである。あまりにもきつすぎるのだ。残り3週間、このタバコを吸わなくてはならないと思うとなんだか憂鬱になってしまった。 バスは再び走り始め、エドモントンに近づくにつれ、だんだんと車内も込み出し、最終的には満席状態となった。そして午後10:30過ぎにエドモントンに到着をした。バスから降りると、係員が既にトランクから、乗客の荷物を無造作にその辺に放り投げていた。人にもよるけど、グレハンの荷物も意外と乱雑に扱われるケースが多い。なのでこれから利用される方は壊れやすい物は注意するように。 再びくそ重いザックを背中に背負ってゲートをくぐりディーポ内に入った。エドモントンは結構大きい街なので、それなりに人がごった返していて結構込んでいた。次の出発は0:15である。先に搭乗手続きをすませようと、カウンターへ行きバスパスをスタッフに提示をして次の目的地である「ドーソン・クリークまで、お願いします。」と伝えた。ここでもチケットの発行はされず、スタッフは発射時刻は0:15、ボーディングタイムが0:00から始まるからゲートの前に並んでドライバーにパスを提示するようにと教えてくれた。立ってるのもかったるいので、空いてるベンチを探して次のバスを待つことにした。ここエドモントンはカナディアンロッキーの玄関口にもなってるから、結構バックパッカースタイルの旅人も多い。日本人も何人かいる。俺もそうであるが、たいていの日本人は「地球の歩き方」のガイドブックをもってるから、あの黄色とブルーの色で日本人と判明できてしまうところが、なんだか笑ってしまう。ある意味日本人である身分証明みたいな感じだ。しばらくするとトイレに行きたくなってきたので、荷物のことが気になってきた。たかがトイレにいくのに20kg超のザックを持っていく気力はとてもない。かといってコインロッカーに入れるのももったいない。とりあえず貴重品だけ身につけて、ザックはベンチに置いたままトイレに行くことにした。盗まれて困るものはあまりない。そのまま、持っていってもあまりの重さにいやになるだろう。トイレから戻ったら、無事盗まれることなく俺のザックはそのままの状態であった。荷物をそのままに、して外へタバコを吸いにいった。案の状「たばこクレクレ君」がやってきた。今回はフィリピン系の女性が手のひらにコインを何枚か乗せ、数本売ってくれといってきた。とりあえず一本だけ譲りお金は受け取らなかった。周りの喫煙者にも何人かくれくれ君が出没していたが、誰もお金をもらおうとしてなかったので、それに従う事にした。再びディーポ内に戻り、有料のインターネットがあったので、暇つぶしにながめる事にした。ついでに日本にいる友人にメールを送ろうとしたが、日本語の入力ができないので、英語で送った。辞書も使わなかったので、受け取った側は通じたかどうかは不明である。そんなことをしてたら、時間が0:00を過ぎ、出発の5分前になったのに気づき慌ててゲート前に行き、手続きを済ませた。ドライバーが何か番号を行ったので、もう一度聞き返すと怒った口調で「今言ったナンバーは君が乗るバスのナンバーだ!」といわれてしまった。何も怒ることはないだろうと思い少し凹んでバスに乗り込んだ。出発ギリギリで乗ったため、車内の席は2列シートを独り占めするのは不可能であった。たまたま運転席の後ろのシートには誰も座ってなかったので、ちょうど運転手がバスに乗り込んできたから、 「ここに座ってもいいか?」 と尋ねたら、またその運転手は怒った口調で、 「だめだ。他の席に座れ。」 といわれてしまった。どうも運転席の後ろの席は防犯上の為か、もしくは運転手の荷物置き場となっている為座れないことが多いようだ。仕方がないので、適当に場所を探して高校生くらいの少年の隣の席に座らせてもらうことにした。一応座らせてもらうには一言断るようにしている。その少年は嫌な顔せずこころよく承諾してくれた。 バスは定刻通り発車をし、夜中のエドモントンの街を走り抜けて、ドーソン・クリークへ出発をしていった。これから約8時間のバス旅であるが、外は真っ暗なので、景色は楽しめないから寝るしかなさそうだ。しかし目をつぶってもなかなか寝れないのが辛いところだ。たまにある休憩があると、すかさず外に出た。ずっと同じ姿勢でいるから体が痛くて仕方がない。でもカナダの夜はとても寒い。Tシャツ姿では凍えてしまう感じだ。フリースのパーカーを羽織って外にでるしかない。いったい今どこを走ってるのさえわからない状態だ。時々、隣に座っていた少年が俺に、 「今どのへんなの?」 と聞いてくるが、答えようがない。 「う〜ん、わからん。」 「君はどこまでいくの?」 「ホワイト・ホースさ。」 「じゃあ、僕と一緒だね。」 といって、彼は爆睡体制に入った。どこでも寝れる人はとてもうらやましいと感じてしまった。旅にはどこでも寝れる技というのがとても重要と常々と感じている。俺の場合は寝れる時と寝れない時と差が激しい。寝れないと全然寝れないのだ。あまりの退屈で気が狂いたく衝動に駆られるときもある。そんなときは仕方ないので、無理に寝ようとせず、本を読んだりして時間を過ごすしかない。寝よう寝ようと思うと余計になぜかストレスを感じてくるので、なるがままに身を任せるしかないようである。 結局、ちょっとうたたねした程度で熟睡はできなかった。空もだんだん白んできたので、もうすぐドーソン・クリークに到着だ。 (つづく...) |
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