クロスカントリースキー

 クロスカントリースキー(以下クロカン)。近年はやりまくってるボードやゲレンデスキーと比べて地味な存在でありますが、やってみるととても奥が深く楽しい。私が行ってるクロカンはオリンピックで萩原選手がやってるような競技指向ではなく、のんびりと自然の中に入っていく歩くスキーです。フィールドの中を歩いていくと動物の足跡やきれいな景色を堪能でき、仕事でつかれきった心を洗い流してくれます。そんな思いを胸に2/2に福島県裏磐梯へ行って参りました。


 R115を車を走らせ、昼過ぎに裏磐梯国民休暇村へ到着。ここは夏場はキャンプ場となっていますが、冬場はクロカンのスキー場に整備されています。なにぶん6年ぶりなのでまずは、ここで勘を取り戻すため、練習をはじめました。それぞれ、距離別にコースが分かれてるので、3KMコースを選択。車の中では自然のなかをスイースイーと快適なイメージを浮かべてたのですが、実際はじめてみるとヨタヨタ、ドテっ(こけた)。30分もすると汗だく状態。あごから汗がしたたり落ちてきます。「クロカンってこんなに激しいものだっけ」と何度も思い、景色を楽しむ余裕すらありません。帰りたくなる気分でいっぱいでした。何とか3KMを終了ししばし休憩。元気がでてきたので、今回の目的地である五色沼へ移動。


 五色沼はシーズン中は人でいっぱいですがこの時期はとてもすいていて一部のカメラマニアの方たちを除いてはほとんど人の気配がありません。早速、林の中をテクテクと歩いていき、とある沼のほとりに到着。目の前には磐梯山が荒々しくそびえたち、沼もほとんど雪で覆われてるので白一色の世界。溜息が出るばかりです。

 沼を横断しようと、歩いてみると、ストックの感触がどうも変。ストックでザクザクと刺してみるとシャーベット状の雪がでたと思ったら水が湧き出てきて「しまった!まだ凍結してない!」と心の中で叫んでしまいあわてて岸へ避難しました。こんな冬の時期に水没しては死んでしまいます。岸へ避難したときは心臓がドキドキしてました。ようやく気を取り直したら、おなかがすいてきたので遅いランチをとることに。板で雪をフラットに整備し、今度は板をはずして両足でジャンプしながら雪に穴をつくって簡易テーブルのできあがり。缶ビールを雪のなかにぶち込み、EPIガスでお湯を沸かしてラーメンを作りました。クロカンの中での一番の楽しみはこの野外料理が一番楽しい。このためにクロカンをしてるといっても過言ではありません。神秘的な世界でのランチ、これはやった人にしかわからない至福の喜びです。雪の中でギンギンに冷やしたビールはとても美味しくラーメンはたとえインスタントでも豪華な料理に思えてしまいます。でもランチの休憩は1時間が限度。これ以上いると体が凍えてしまうくらい寒くなってきます。いくら景色がよくても、気温は氷点下の世界なのでかないません。昼食後は紅茶で一服し、段々日も暮れてきたので車のところまで戻りました。


 帰りには露天風呂に入ってきました。冷え切った体には最初熱く感じましたが、なれてくるととても気持ちがいいです。雪の中の露天風呂は汗や疲れを流してくれてまた格別なものです。帰路は道路の凍結との戦いでまた疲れ果ててしまいましたが、この日は日頃のストレスを自然のなかで発散することができとてもよかったです。また機会をみつけて行ってみようと思います。