朝起きて庭でタバコを吸っていると、鳩が必ず俺の所にやってくる。要はエサをくれというのだ。うちの親が前々からパンを与えていてすっかり餌付け状態になってしまっている。多分、庭に人がいるとエサをくれるものと思い込んでいるのだろう。エサをやらんと自分の存在をアピールしてるのだろうか、庭の中をちょこまかと歩き回り、しまいには窓の近くにきて「グーグー」と鳴くのである。


　このところ、手に持ったパンを直接食べに来るくらい慣れてきた。


　鳩は一見おとなしそうなイメージを持つがエサをあげる際よく観察していると結構獰猛な部分も見えてくる。例えば、エサをあげる際、他のスズメなどくると羽を逆立たせて「ブっ、ブッ」と変な声でなきながら他のものを追い掛け回して追い払うのである。まるで「ここは俺の縄張りだ、よそもんはくるんじぁねえ」と言わんばかりの様子である。


　鳩の他に、スズメ、ムクドリなどがやてくるがそれぞれ食べ方が違って面白い。鳩はその場でバンを食べる。スズメは、さっとやってきてパンをくちばしに挟むとどこかに飛んでいくか、植木の下あたりに隠れてパンをついばむ。ムクドリは鳩の攻撃に屈せず、くちばしにパンを挟めるだけはさんでどこかに飛んでいきます。


　また明日もパンをあげてみよう。