夜走り(ナイトラン)

 巷ではG.W.に入った為、国道にでるとリアシートに荷物をどっちゃり積んだ数多くのツアラー(ツーリングに行くライダーのこと)を見かけるようになった。旅先での希望や期待に夢を膨らませて走って行く彼らを見てるととても羨ましくなってしまいます。


 ここ数年、ツーリングの初日や最終日に夜走りという手段を使います。夜走りとは、その名のごとく夜走ること。詳しく説明すると、夜、体力の限界まで走ってひたすら移動距離を稼ぐのだ。何故こんなことをするのかというと。


@旅の初日は、見慣れた景色のところを走るので新鮮さが感じられず、さっさと素通りしたい。

A連休に旅をするので、渋滞にはまってしまう。

B夜遅くだと、道路が結構すいてるので走りやすく距離を稼げる。


とまあ、大きく分けると上記の3点ですね。夜走りの真価が発揮されてくるのは22:00以降だ。交通量もだいぶ減り、走りやすくなってくるのだが。同時に疲労がピークに達するのもこの時間帯からだ。「眠い。ケツが痛い。でも距離を稼がねば」まさに、自分との戦いになってきます。更に季節によってはとっても辛い仕打ちが...。G.W.中だと、夜はとても寒いのである。気温にして大抵は7℃〜9℃位で、バイクだと更に数度体感温度が違ってきます。手はかじかみ、ハンドルを握る感覚も失せてきます。そんな時、道沿いにあるコンビニを見つけるとまるで砂漠の中のオアシスのような錯覚に陥ってしまい、迷わず立ち寄り、中で雑誌を立ち読みしながら暖をとり、暖かい缶コーヒーを購入します。熱いうちにその缶でかじかんだ手を温めながら飲むコーヒーは、疲れきった体にエネルギーを与えるかのように美味く感じます。ただ、缶コーヒーも3本くらいが限度、いいかげん胸焼けがしてきます。後は野宿場所を探して寝るだけです。


 夏場の夜は、虫との戦いです。山の中や田んぼの多いところだと、虫が大量に飛んでいます。バイクの走行中には何度も虫が体当たりしてきます。特にヘルメットのゴーグルには時々「コツン、コツン」と虫がぶつかりビビリまくりです。夏だと薄着してはしってるので、首のところや、ゴーグルとヘルメットの隙間をぬってホッペタに虫が当たるととてつもなく痛いのである。コンビニ等に寄ってヘルメットを脱ぐと虫がべったりとついて気持ちが悪い、あと服にも所々虫が張り付きます。

 
 去年の東北はカメムシが大量発生したため、コンビニの駐車場でくつろいでいると、カメムシが体やバイクによってきてまさに大変。手でつかむと例の臭い液体を放つので、ジャンプをして落としたり、またヘルメットの中にも入ってくるので追い払うのに大変でした。メットの中にあんな臭い液体を放たれたら最後、毒ガスを始終 吸ってるような感覚になってしまいます。


 何故こんな辛い思いをしてまで、夜走りをするのかとお思いでしょうが、実は出発する時間がいつも昼以降なので、こんな結果になっている事も付け加えておきます。